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図面がない建物の現況図を作る方法|3Dスキャンで正確に再現

図面がない既存建物のイメージ

図面がない建物の現況図を作る最も効率的な方法は、3Dレーザースキャンです。建物全体を±2〜3mmの精度で計測し、点群データから平面図・断面図・立面図・BIMモデルを作成できます。手作業の実測と比較して、図面作成期間を75%短縮できます。本記事では、図面のない建物で現況図を作成する方法を、手順・費用・事例とともに解説します。

図面がない建物はなぜ多いのか

リノベーションや用途変更の計画時、「この建物の図面がない」という問題は非常に多く発生します。特に築30年以上の建物では、図面が存在しないケースが珍しくありません。主な原因は以下の3つです。

1

竣工図の紛失・未保管

建物の竣工時に作成された図面が、管理者の変更や保管場所の移転に伴い紛失するケースです。紙図面は経年劣化や災害による損傷リスクもあり、築年数が古いほど残存率が下がります。

2

増改築による図面との不一致

竣工後に増築・改修・間仕切り変更が行われたにもかかわらず、図面が更新されていないケースです。図面が残っていても現状と一致せず、設計の基礎資料として使用できません。

3

管理体制の変遷

所有者の変更、管理会社の交代、テナントの入れ替わりなどにより、図面の引き継ぎが行われなかったケースです。特に複数回の売買を経た物件では、図面の所在が不明になりがちです。

こうした背景から、リノベーション・耐震診断・用途変更の際には「現状を正確に把握した現況図」を新たに作成する必要があります。

現況図を作る3つの方法と比較

図面がない建物の現況図を作成する方法は主に3つあります。それぞれの精度・所要時間・コストを比較します。

比較項目手作業実測写真測量3Dスキャン
精度±10〜20mm±5〜10mm±2〜3mm
現場作業時間(500㎡)3〜5日1〜2日0.5〜1日
図面作成期間2〜4週間1〜2週間5〜7営業日
費用目安(500㎡)40万〜80万円30万〜50万円35万〜60万円
計測漏れリスク高い中程度極めて低い
BIM対応手動モデリング部分対応点群から直接変換
再計測の必要性頻繁に発生時々発生ほぼ不要

3Dスキャンは精度と作業効率の両面で優れています。特に「計測漏れがほぼ発生しない」点は、設計者にとって大きなメリットです。取得した点群データから後日、任意の箇所の寸法を確認できるため、現場への戻り作業が不要になります。

図面がない建物の現況図作成についてお困りですか?まずはお気軽にご相談ください。

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3Dスキャンによる現況図作成の流れ

3Dスキャンで図面がない建物の現況図を作成する手順は、以下の5ステップです。

STEP 1

ヒアリング・事前調査

建物の用途・面積・必要な成果物(平面図・BIMモデル等)をヒアリングし、計測計画を策定します。既存資料があれば事前にご共有いただくことで、スキャン効率が向上します。

STEP 2

現場スキャン

3Dレーザースキャナを建物内外に設置し、各ポイントで360度スキャンを実施します。500㎡程度であれば半日〜1日で完了します。非接触・無粉塵のため、入居中でも実施可能です。

STEP 3

点群データの合成・処理

各スキャンポイントで取得した点群データを統合し、建物全体の高精度3Dデータを生成します。ノイズ除去・座標合わせを行い、寸法精度±2〜3mmの点群を完成させます。

STEP 4

図面・モデル作成

点群データを基に、ご要望の成果物(平面図・断面図・立面図・展開図・BIMモデル)を作成します。CADオペレーターが点群をトレースし、正確な現況図に仕上げます。

STEP 5

納品・データ活用サポート

成果物をDWG/PDF/RVT等のご指定フォーマットで納品します。点群データの閲覧方法や、BIMソフトへの取り込み手順もサポートします。

作成できる成果物の種類

3Dスキャンで取得した点群データから、以下の成果物を作成できます。リノベーション設計に必要な図面を一括で揃えることが可能です。

平面図

DWG / DXF / PDF

各階の間取り・壁厚・開口部の位置を正確に図面化します。任意の高さでの断面を切り出せるため、天井高の変化や梁の位置も反映できます。

断面図

DWG / DXF / PDF

任意の位置での縦断面を作成します。各階の階高・床厚・天井高を正確に把握でき、構造検討やダクトルート計画の基礎資料になります。

立面図

DWG / DXF / PDF

建物外観の各面を正確に図面化します。外壁の凹凸・開口部の寸法・庇の出幅など、外装改修の設計に必要な情報を網羅します。

展開図

DWG / DXF / PDF

各室の壁面を展開した図面を作成します。内装仕上げの検討、設備機器の配置計画に活用できます。

BIMモデル

RVT / IFC / PLN

Revit・ArchiCAD等のBIMソフトに対応した3Dモデルを作成します。壁・床・天井・柱・梁を3Dオブジェクト化し、干渉チェックやシミュレーションに活用できます。

費用と期間の目安

3Dスキャンによる現況図作成の費用と期間は、対象面積と成果物の種類によって異なります。以下に面積別の目安を示します。

延床面積スキャン日数図面作成期間費用目安(税別)
〜200㎡半日3〜5営業日25万〜40万円
200〜500㎡半日〜1日5〜7営業日35万〜60万円
500〜1,000㎡1〜2日7〜10営業日50万〜90万円
1,000〜3,000㎡2〜3日10〜15営業日80万〜150万円
3,000㎡以上3日〜15営業日〜個別見積もり

※上記は平面図+断面図の作成を含む目安金額です。BIMモデル作成・展開図追加の場合は別途費用が発生します。正確な金額は個別見積もりにてご確認ください。

事例:築50年ビルの現況図面作成

対象建物築50年 RC造5階建て事務所ビル(延床面積 約2,500㎡)
課題竣工図が紛失しており、リノベーション設計に必要な現況図面が一切存在しなかった
計測期間現場スキャン 2日間(テナント営業中に実施)
成果物各階平面図・断面図4面・立面図4面・BIMモデル(Revit)
納品期間スキャンから納品まで約3週間

結果:手作業実測の場合に想定された8週間の工期を3週間に短縮(約63%削減)。テナント営業中のスキャンにより、ビル運用への影響もゼロで完了しました。BIMモデルの納品により、設計者はリノベーション計画を3D上でシミュレーションしながら進めることができました。

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よくある質問

Q. 図面がまったくない建物でも現況図は作れますか?

はい、作れます。3Dレーザースキャンは既存の図面がなくても、建物の現状を±2〜3mmの精度で計測し、点群データから平面図・断面図・立面図・BIMモデルを作成できます。竣工図が紛失した建物や、増改築を繰り返した建物でも対応可能です。

Q. 現況図の作成にはどのくらいの期間がかかりますか?

延床面積500㎡程度の建物の場合、現場スキャンに1日、データ処理・図面作成に5〜7営業日、合計で約1〜2週間が目安です。面積が大きい場合や成果物の種類が多い場合は、2〜4週間程度かかります。

Q. 入居者がいる状態でもスキャンできますか?

はい、可能です。3Dレーザースキャナは非接触・無粉塵で計測するため、入居者やテナントが営業中でもスキャンできます。騒音もほとんどなく、1箇所あたり数分で計測が完了するため、業務への影響を最小限に抑えられます。

まとめ

図面がない建物の現況図を作成する方法として、3Dレーザースキャンは精度・スピード・コストの全面で手作業実測を上回ります。

この記事のポイント:

  • • 築30年以上の建物では図面が存在しないケースが多く、現況図の新規作成が必要になる
  • • 3Dスキャンは±2〜3mmの精度で計測でき、手作業実測と比較して期間を75%短縮できる
  • • 平面図・断面図・立面図・展開図・BIMモデルを点群データから一括作成可能
  • • 非接触計測のため入居中・営業中の建物でもスキャン可能

図面がない建物のリノベーション計画でお困りの場合は、まずは対象建物の面積と必要な成果物をお聞かせください。最適な計測プランと概算費用をご提案します。

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