2026年版 3D測量の最新トレンド|AI活用・自動化の進化

2026年の3D測量業界は、AI技術の本格活用、自動化の進展、クラウド処理の普及により大きな変革期を迎えています。本記事では、現場で注目すべき6つのトレンドと、今後の業界展望を解説します。技術者として押さえておきたい最新動向を網羅しましたので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
トレンド①:AIによる点群データの自動分類・認識
2026年において最も注目すべきトレンドが、AIを活用した点群データの自動分類です。従来、3Dレーザースキャナやドローンで取得した数億点にのぼる点群データは、技術者が手作業で「地表面」「植生」「構造物」「ノイズ」に分類していました。この作業には膨大な時間と経験が必要でした。
ディープラーニングベースのAIモデルの精度が飛躍的に向上したことで、点群の自動分類が実用レベルに到達しています。地表面の自動抽出に加え、電線・ガードレール・標識などの道路付属物を個別に認識する「セマンティックセグメンテーション」が現場で使われ始めています。
現場での効果:手作業で2〜3日かかっていた点群分類が、AIにより数時間で完了するケースが増えています。分類精度も95%以上に達しており、技術者は確認・修正作業に集中できるようになっています。損傷箇所の自動検知にもAIの応用が進んでおり、インフラ点検業務の効率化にも貢献しています。
トレンド②:リアルタイム3Dスキャンの進化
SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を搭載したハンドヘルドスキャナの高精度化が急速に進んでいます。従来のSLAMスキャナは精度が±10〜30mmと、地上レーザースキャナ(±1〜3mm)に比べて大きく劣っていましたが、最新機種ではLiDAR-Visual SLAMの融合により±5mm前後の精度を実現しています。
これにより、歩きながらリアルタイムで3Dモデルを生成できる環境が整いつつあります。現場でスキャンしながらタブレット上で3Dモデルを確認し、計測漏れがないかその場で判断できるため、「持ち帰って処理したら計測漏れがあった」という従来の課題が解消されます。
主な対応機器:NavVis VLX 3、Leica BLK2GO、GeoSLAM ZEB Horizon RTなど。屋内空間の現況計測やファシリティマネジメント用途で導入が拡大しています。広大な建物を短時間でスキャンできるため、従来のステーション型スキャナとの併用が主流になりつつあります。
トレンド③:クラウド点群処理の普及
3D測量で取得する点群データは、1現場あたり数十GB〜数百GBに達することも珍しくありません。従来はハイスペックなワークステーションでローカル処理していましたが、2026年はクラウドベースの点群処理プラットフォームが本格的に普及しています。
クラウド処理の最大のメリットは、ハードウェアに依存しない点群のレジストレーション(合成)・ノイズ除去・解析が可能になることです。加えて、複数の担当者がブラウザ上で同じ点群データにアクセスし、計測・注記・共有をリアルタイムで行えるコラボレーション機能が実務で活用され始めています。
代表的なサービス:Autodesk Construction Cloud、NavVis IVION、FARO Sphere XG、Trimble Clarityなど。API連携によりBIMソフトやGISとの接続も容易になっており、データの一元管理と社内外での共有が加速しています。
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無料相談を申し込むトレンド④:デジタルツインとの統合
BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling, Management)の普及を背景に、3D測量データをデジタルツインの構築基盤として活用する動きが加速しています。デジタルツインとは、現実の建物・インフラを仮想空間に再現した3Dモデルであり、リアルタイムのセンサーデータと連携させることで維持管理や劣化予測に活用されます。
3D測量は、デジタルツインの「幾何形状」を提供する役割を担います。レーザースキャンで取得した高精度の点群データがBIM/CIMモデルの基盤となり、IoTセンサーや監視カメラの情報を重ね合わせることで、建物やインフラの現在状態をリアルタイムで可視化・監視できるようになります。
適用事例の拡大:高速道路の橋梁管理、大規模工場の設備管理、都市開発の景観シミュレーションなど、多様な分野でデジタルツインの活用が進んでいます。国土交通省のPLATEAU(プラトー)プロジェクトでは、都市の3Dデジタルツインの整備が進められており、3D測量データの需要は今後も拡大する見通しです。
トレンド⑤:ロボット・自律走行型スキャナの登場
四足歩行ロボット(Boston Dynamics Spotなど)にレーザースキャナを搭載し、危険区域や広大な現場を自律的にスキャンする技術が実用化段階に入っています。人が立ち入れない災害現場、有害物質のある環境、高所・地下空間での3D測量において、ロボットスキャナの導入メリットは非常に大きいです。
自律走行型スキャナは、事前に設定したルートに沿って自動的にスキャンポイントを巡回し、点群データを取得します。取得したデータはリアルタイムでクラウドにアップロードされ、遠隔地からでも進捗を確認できます。建設業界の人手不足が深刻化する中、省人化技術としても注目されています。
導入が進む分野:プラント・工場の定期点検(配管・設備のスキャン)、トンネル・ダムなどのインフラ点検、建設現場の進捗管理(定期巡回スキャン)、災害現場の被害状況調査。まだコスト面の課題はあるものの、大規模現場や危険区域での活用を中心に導入が加速しています。
トレンド⑥:i-Constructionの全面適用拡大
国土交通省が推進するi-Constructionは、2026年度にさらなる適用拡大のフェーズに入ります。BIM/CIMの原則適用が対象工事を段階的に広げており、3D測量は起工測量・出来形管理だけでなく、維持管理段階でのデータ活用も求められるようになっています。
特に注目すべきは、小規模工事や地方自治体発注工事への適用拡大です。これまでi-Constructionは国交省直轄の大規模工事が中心でしたが、2026年度以降は地方の中小規模工事でもICT活用が標準化される方向にあります。これに伴い、3D測量の対応力を持つ測量会社への需要がさらに高まることが見込まれます。
2026年度の主な変更点:BIM/CIM原則適用の対象工事のさらなる拡大、維持管理段階での3Dデータ活用推進、受注者希望型ICT活用工事の評価制度の充実、小規模工事へのICT施工の普及促進。i-Construction対応の詳細はこちらの記事でも解説しています。
今後の展望と弊社の取り組み
2026年以降、3D測量は単なる「計測手段」から「データプラットフォームの入口」へと役割が変化していくと考えられます。AIによる自動処理、クラウドによるデータ共有、デジタルツインとの連携が進むことで、測量データの価値は計測時点だけでなく、プロジェクトのライフサイクル全体にわたって活用されるようになります。
弊社(株式会社SurveySolution)では、こうした業界トレンドを踏まえ、最新の3Dレーザースキャナ・ドローン・SLAM機器を積極的に導入しています。AI点群処理やクラウド連携にも対応しており、お客様のプロジェクトに最適な計測手法をご提案します。
最新機器の積極導入
FARO・Leica・NavVisなどの最新スキャナを導入し、高精度かつ効率的な3D測量を実施しています。SLAMスキャナとステーション型の併用により、現場条件に応じた最適な計測を実現します。
AI活用・クラウド処理への対応
AI点群分類ソフトウェアを導入し、データ処理の効率化を進めています。クラウド点群プラットフォームを活用した納品にも対応しており、お客様との点群データの共有・共同確認が可能です。
i-Construction・BIM/CIM対応
i-Construction対応の起工測量から出来形管理・成果物作成まで一貫して対応します。BIM化(スキャンtoBIM)にも豊富な実績があり、建設・建築のDX推進を測量の側面から支援します。
よくある質問
Q. 3D測量にAIを導入すると、具体的にどのような業務が効率化されますか?
最も大きい効果は点群データの分類・ノイズ除去の自動化です。従来は技術者が手作業で行っていた地表面・植生・構造物の分類をAIが自動で処理するため、データ処理時間を最大70%削減できます。また、構造物の損傷検知や変位計測にもAIが活用されており、検査業務の効率化にも寄与しています。
Q. 中小規模の測量会社でも最新トレンドに対応できますか?
はい、対応可能です。クラウド点群処理サービスの普及により、高額なワークステーションを自社に持たなくても大容量データの処理が可能になっています。また、SLAMスキャナの低価格化も進んでおり、初期投資を抑えながら最新技術を導入できる環境が整いつつあります。弊社でも導入支援を行っています。
Q. i-Constructionの2026年度改定で、3D測量の対応範囲はどう変わりますか?
2026年度は、BIM/CIM原則適用の対象がさらに拡大され、維持管理段階での3Dデータ活用も本格化します。小規模工事や地方自治体発注工事への適用も段階的に広がっており、3D測量の需要は今後も拡大する見通しです。詳細は弊社までお気軽にお問い合わせください。
まとめ
2026年の3D測量業界は、AI・クラウド・ロボティクスの導入が加速し、従来の「計測して図面を作る」だけの業務から、データ活用基盤を構築する役割へと進化しています。技術者として、これらのトレンドを理解し、自社のサービスや業務フローに取り入れていくことが今後の競争力に直結します。
この記事のポイント:
- ・ AI点群分類が実用レベルに到達し、データ処理時間を大幅に削減
- ・ SLAMスキャナの高精度化で、リアルタイム3Dモデリングが現場で実現
- ・ クラウド点群処理の普及により、チーム間のデータ共有・共同作業が容易に
- ・ デジタルツインの構築基盤として3D測量データの重要性が増大
- ・ ロボット・自律走行型スキャナが危険区域や大規模現場で導入拡大
- ・ i-Constructionの全面適用拡大で、3D測量の対応力がさらに求められる
最新の3D測量技術に関するご質問や、導入のご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。現場の条件に合わせた最適な計測手法と機器をご提案します。
